ハッピーフライト
2008/11/17 Mon 22:47:40 [edit]
矢口史靖監督の最新作「ハッピーフライト」を見てきた。
矢口監督といえば、「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」が大当たりし、今や邦画の売れっ子監督として名を馳せている。
「ウォーターボーイズ」は劇場に3回見に行って、DVDボックスも買ったりしてるし、「スウィングガールズ」もボックス買い損ねて、慌ててヤフオクで落としたり。
「ウォーターボーイズ」のプログラムは安っぽいA5の物だったのに、新作が公開される度に豪華なものになっていくあたりが、サクセスを感じさせてとてもいい。
矢口作品の面白さは、「映画のウソは、事実を捻じ曲げない範囲でつくこと」
「クライマックスは補正無しで行うので、役者も見る側も緊張感があること」
大事なのは後者。
映画なのでもちろん編集があり、実際の絵は何度も撮っているわけだけど、「ウォーターボーイズ」のシンクロ、「スウィングガールズ」のビッグバンドジャズ、どちらも演者が実際に長い期間練習し、本当に演奏しているため、実際に「汗をかいていることを感じる」ような充実感、昂揚感が伝わってくる。
こうした高揚感を大切にした上での成長物語だったりするので(しかも、全国制覇したりしない、きっとどこにでもきっとあるくらいの成長)共感するところが大きい。
矢口作品がヒットしたのはこういうとこだと思う。
「ハッピーフライト」は「社会人」の物語である。「プロ」の物語だ。
プロとして次のステップに楽して行きたい、副操縦士。
憧れの国際線に配属されてウキウキ気分のキャビンアテンダントの女の子。
ベテランへの対応がわからず、怒られてばかりの若い整備士。
頭に描いていた職業と違う、忙しいばかりで悩んでる地上勤務の女の子。
昔切れ者だったけど、今は昼行燈のオジサン。
そして文句タラタラの若造。
間に立って胃を痛める責任者。
画面に登場するのは、そんな「普通」の人達だ。
みんなみんな、仕事を頑張っている。
みんなみんな、悩んでいる。
みんなみんな、それぞれの職域で言いたいことがある。
みんなみんな、夢をみたい。
でも、みんな目の前の仕事に全力で、精一杯、取り組んでいる。
そんな人たちの力が合わさって、あの大きな飛行機は、空を飛んでいける。
そんな普通の人たちがプロとして活躍した時の「凄さ」、そして「プロとして自分を意識した時の成長」を、コミカルに、そして感動的に描いている。
今までの作品とは違い、登場人物がたくさん登場する「群像劇」であるため、特定の人物に感情移入する、というのは難しい。
だから、前2作のような「甘酸っぱい青春のさわやかさ」を求めて見に行くと、かなり肩すかしを食らう。
これは大人達がカッコイイ、「大人の映画」なのだ。
劇場で「ふーん」と思っても、後で反芻していくと発見が色々ある、後味爽やかな作品なのだ。
惜しい点としては「プログラムは先に購入し、映画が始まる前にざっとでいいので目を通しておくとより理解が深まる。」ことだろう。管制塔にいるのは全日空の社員ではなく、国土交通省の役人であるということを、見終わってプログラム読んで初めて知った。飛行機を運行しているのは、会社と役所のチームプレイでもある、ということを先に理解しておけば、さらに楽しく見られたのに。
矢口監督といえば、「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」が大当たりし、今や邦画の売れっ子監督として名を馳せている。
「ウォーターボーイズ」は劇場に3回見に行って、DVDボックスも買ったりしてるし、「スウィングガールズ」もボックス買い損ねて、慌ててヤフオクで落としたり。
「ウォーターボーイズ」のプログラムは安っぽいA5の物だったのに、新作が公開される度に豪華なものになっていくあたりが、サクセスを感じさせてとてもいい。
矢口作品の面白さは、「映画のウソは、事実を捻じ曲げない範囲でつくこと」
「クライマックスは補正無しで行うので、役者も見る側も緊張感があること」
大事なのは後者。
映画なのでもちろん編集があり、実際の絵は何度も撮っているわけだけど、「ウォーターボーイズ」のシンクロ、「スウィングガールズ」のビッグバンドジャズ、どちらも演者が実際に長い期間練習し、本当に演奏しているため、実際に「汗をかいていることを感じる」ような充実感、昂揚感が伝わってくる。
こうした高揚感を大切にした上での成長物語だったりするので(しかも、全国制覇したりしない、きっとどこにでもきっとあるくらいの成長)共感するところが大きい。
矢口作品がヒットしたのはこういうとこだと思う。
「ハッピーフライト」は「社会人」の物語である。「プロ」の物語だ。
プロとして次のステップに楽して行きたい、副操縦士。
憧れの国際線に配属されてウキウキ気分のキャビンアテンダントの女の子。
ベテランへの対応がわからず、怒られてばかりの若い整備士。
頭に描いていた職業と違う、忙しいばかりで悩んでる地上勤務の女の子。
昔切れ者だったけど、今は昼行燈のオジサン。
そして文句タラタラの若造。
間に立って胃を痛める責任者。
画面に登場するのは、そんな「普通」の人達だ。
みんなみんな、仕事を頑張っている。
みんなみんな、悩んでいる。
みんなみんな、それぞれの職域で言いたいことがある。
みんなみんな、夢をみたい。
でも、みんな目の前の仕事に全力で、精一杯、取り組んでいる。
そんな人たちの力が合わさって、あの大きな飛行機は、空を飛んでいける。
そんな普通の人たちがプロとして活躍した時の「凄さ」、そして「プロとして自分を意識した時の成長」を、コミカルに、そして感動的に描いている。
今までの作品とは違い、登場人物がたくさん登場する「群像劇」であるため、特定の人物に感情移入する、というのは難しい。
だから、前2作のような「甘酸っぱい青春のさわやかさ」を求めて見に行くと、かなり肩すかしを食らう。
これは大人達がカッコイイ、「大人の映画」なのだ。
劇場で「ふーん」と思っても、後で反芻していくと発見が色々ある、後味爽やかな作品なのだ。
惜しい点としては「プログラムは先に購入し、映画が始まる前にざっとでいいので目を通しておくとより理解が深まる。」ことだろう。管制塔にいるのは全日空の社員ではなく、国土交通省の役人であるということを、見終わってプログラム読んで初めて知った。飛行機を運行しているのは、会社と役所のチームプレイでもある、ということを先に理解しておけば、さらに楽しく見られたのに。
テーマ: 日本映画
ジャンル: 映画
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